東北発祥の裂き織りとは
使い古した布を細く裂いて織りこみ、衣服や生活用品へと再生する織物です。
 卓上織り機で制作できますので、手軽に裂き織りに取り組むことができます。

裂き織りはどうやって作るの?
裂いた布と紐を交互に織っていく「裂き織り」は、基本的に織り機を使いますが、
段ボールで手作りの織り機を作ることもできるそうです
使いたい布を裂き、途切れる事のない一本の紐状にします。
そして「経糸」と呼ばれる縦の糸に、裂いた布と紐を交互に重ねていきます。

染色方法
主に植物の葉、茎、根、実などを煮だした液に繊維を浸し、
20分程度加熱し、染まった色素を金属イオンと結合させて発色させる。
金属イオンとの結合を媒染といい、アルミニウム、銅、鉄分などを溶かした液に繊維を20分程度浸す。
植物抽出液と媒染を繰り返すことで色素の繊維染着を良くし、
染色濃度を上げる。

主な天然染料
アカネ
乾燥させた根を赤色の染料として用いる。ヨーロッパ種と東アジア(日本)種がある。
主な色素はプルプリンとアリザリン、ルビアジンなど。
ベニバナ
花弁を黄色赤色の染料として用いる。赤の色素は抽出が難しく、ベニバナで染めた布は非常に高価。
黄色は簡単に取り出せるが、すぐに分解されるのであまり使われない。
ムラサキ
乾燥させた根を紫色の染料として用いる。主な色素はシコニンだが、熱に弱いため染色は冬に行われる。
アイ
乾燥させた葉などを青色の染料として用いる。様々な植物が「アイ」と呼ばれており、
インディガンという無色の色素を持つことが共通している。
日本ではタデ科のタデアイ、キツネノマゴ科のリュウキュウアイ、アブラナ科のタイセイが栽培されてきた。
日本ではほとんどの場合タデアイを指す。
カリヤス
生または乾燥した茎や葉を黄色の染料として用いる。イネ科の植物で、ススキに似た外観をしている。
また、八丈島の方言ではコブナグサのことを指すので注意。
どちらも利用法はほぼ同じである。
キハダ
乾燥させた樹皮を黄色の染料として用いる。藍染めの後にキハダで染め重ね緑色を出すこともある。
ウコン
根茎を黄色の染料として用いる。ただし、染料に使えるほど色素を含むのは夏ウコンだけであり、
春ウコン及び秋ウコン(ガジュツ)は使えない。
ゴバイシ
五倍子(ふし)とも。ヌルデに発生した虫えい(ヌルデノミミフシ)を乾燥させたもの。
黒色の染料に用いる。多量のタンニンを含んでいる。お歯黒にも使われていた。
ウルシの仲間なので容易に触れるとかぶれる危険性がある。
クサギ
果実を青色の染料に、萼片、葉も染料として用いることができる。
インディゴ以外の青い色素で染色に用いることができるものは少なく、珍しい存在。
イラクサ類
茎葉を用いる。赤色や茶色などの色が取れる。
ヨモギ
茎葉を用いる。緑色や褐色が得られる。
カキシブ
未熟な柿の果汁から作る。茶色の染料として用いる。日に当てることで繊維の強度が増す。
塗料として用いられることもあり、一閑張りなどの和紙に塗布したり、清酒の清澄剤に
利用されていた。
サクラ
花からは色付けができず、蕾が色づく直前に枝を煮出して染液をとる。

               注)画像をクリックすると大きく見られます。

縦糸
横糸に合わせて色を決める。白糸を草木で染める事もある。
横糸
布を1cmに裂いて横糸として使う。
織り機
(横約60cm×縦約1m50cm)
   55cm幅まで織れる。
織り上げられた反物各種